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『 健康ブログ~コロナと子どもとの関係に迫る!』

[2022.03.28]

三重県四日市市の足立耳鼻咽喉科がお届けする健康ブログです。本職は耳鼻咽喉科領域の治療を専門としていますが、当ブログではもう少し広い視野で、より快適に生活できる情報を発信します。流行りの健康情報ではなく、基本に忠実な情報を書きたいと思っています。宜しくお願い致します。


こんにちは、健康ブログ編集長です。一気に春の陽気になるかなと思ったら、先週はかなり寒い日もあり体調を崩してしまいそうですね。皆さま、お変わりはございませんか?
本日はここ数年の必需品となった”マスク”が与える影響について考えていきましょう。

本日のテーマは、

「マスクと子どもの発育について」

コロナ感染が始まって3年目を迎えようとしていますが、その間ず~とマスク生活が続いています。もちろん感染防止の観点からは必要ですし、効果も実証されてきています。

しかし反面、息苦しくて面倒で、お肌も荒れたりメガネが曇ったり様々なマイナス面がありますね。顔の半分以上を隠しますので、表情がわからないというデメリットも感じます。ただ苦手な人に会う時は悟られなくていいですし(笑)、コンビニで鼻歌を歌っていても発見されにくという?良い面もあります(笑)。

しかしこの「表情がわからない」という点が、健康上の大きな影響を与えているとしたらどうしますか? それは、幼い子どもたちへの影響です。

マスク生活が子どもたちに与える影響とは?

今回は3月6日の読売新聞様の「コロナと子ども」というコラムから抜粋、ならびに参照させて頂きます(文章構成の関係で、一部編集しています)。

ご専門は「比較認知発達科学」の京都大学助教授の明和先生が質問に答えてみえます。先生によりますと、

脳が発達する過程では、「感受性期」という環境の影響を特に受けやすい時期があります。この時期の環境や経験は生涯もつことになる、脳と心の柱となる重要なもの。
大脳皮質の「視覚野」や「聴覚野」の発達の感受性期は生後数か月~就学期前で、この時期は他者の表情や口元から発せられる声を見聞きしそれを真似ながら学びます。しかしマスク着用により、この機会が激減しています。

米ブラウン大学が昨年8月に出した報告によると、コロナ禍以前に生まれた生後3ヶ月~3歳の子どもたちの認知発達の平均値を100とすると、コロナ禍で生まれた同年代の子どもたちは78まで低下しているそうです。原因ははっきりしていないようですが、日本でもこうした調査を公費で早急に行うべきです。
今小学生以上の子どもたちは、一般的に正常な発達をすることが出来ている世代。それがコロナ禍で大きな制約を受けると、そうした良い記憶がるがゆえに満たされなさは生まれます。とても辛いものだと思います。

また脳の前頭前野の感受性期は、4~5歳くらいから始まります。前頭前野は相手の気持ちを理解したり共感したり、相手の置かれた状況に応じて協力したりすることができるのです。その発達に関してもコロナ禍での生活は大きな制約を課しますので、影響が心配になります。

いかがでしょうか? 未来を支える子どもたちに大きなストレスがかかっているのは理解していましたが、脳の発達にも重大な影響を与えていると思うと非常に心配になります。

私たちが出来ることを考えよう

出来ることと書いたものの、正直これだという良い方法は思い浮かびません。子どもは大人の顔色を見て成長しますので、コロナ禍で疲弊した大人の様子を感じ取っているはずです。また外国での紛争などの情報を聞けば、また暗い気持ちになるでしょう。そんな社会情勢ですが、それはそれとして考えてみました。

  • まずは、子どもたちがそういう状況であることをしっかり認識して欲しいと思います。当然わかっているでしょうが、日々の忙しさに追われると薄くなりがち。子どもの人生がかかっているくらいの危機感を持って接してあげて欲しい
  • その次に考えて欲しいのは、家庭での接し方。子どもたちは常に親の顔色や雰囲気を観察していますので、なるべく明るく朗らかにいて欲しい。これは親御さんには酷な要望かも知れませんが、頭を切り替えて欲しいですね。子どもたちにしてやれる最大の支援ですので、お願いします。
  • なるべく一緒に買い物に行ったり、公園などで遊んであげて下さい。仕事や家事で忙しいと思いますが、こういう時間は長い人生から見たら一時です。子育てが終わると大抵の親はもっとこうしてあげたらと後悔するもの。そして家でもトランプしたり、一緒に勉強したりして子どもをよく見てあげて下さい。
  • お友達と過ごす時間も大切です。いろいろ理由はあるでしょうが、友だちと遊びたいと言ったらそうさせてあげtほいい。

明和先生も仰ってみえますが、

大人には、脳発達の感受性期にある子どもたちの環境を守る責任があります。コロナ禍の生活も、もう2年。人間を科学的に理解するという視点を持ち、子どもにとって必要な「新しい生活様式」を議論し、実践していく時期を、とうに迎えていると思います。(同紙より原文のまま引用致しました)

まさに仰る通りだと思います。自分の子だけではなく、社会にとても大事な子どもたちを一緒に見守っていきたいものです。


それでは、また来週!

 

 


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◇ 編集後記

マスクは必要ですが、子どもたちには大きな影響がありそうで悩ましいところです。

それならば、マスクをしていても表情がわかるマスクを開発したらどうでしょう? 例えば透明マスク。これは今回危惧したような問題を、かなり解決出来る優れものになりそう。そんな素材は今はなくて夢のような話ですが、人間の思いつくものは必ず実現してきましたからね。誰か、考えてもらえませんか~?

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