『 子供の肘が抜けた!?原因と対処法、教えます 』
足立耳鼻咽喉科が発行する健康ブログです。
地域の皆様の健康の一助になるよう、情報発信しています。
こんにちは、健康ブログ編集長の嵐です。
本日のテーマは、
「 子供の腕が抜けた!?原因と対処法を教えます 」
こんな経験はないでしょうか?
- 子供と遊んでいて、何かの拍子で腕を引っ張ったら急に泣き出して、痛がっている・・・
- 上着を着せようと手を引っ張っただけなので、急に泣き出した。腕を下げたまま、全然動かなさくなった・・・
大切なお子さんの一大事、慌てますよね~。
実は私も経験があります。かなり前の話ですが、確かお正月に親戚の子供が遊びに来ていて、手を持ってあげて、グルグルと回して遊んでいました。
子供は超ご機嫌でしたが、急に泣き出して痛みを訴えました。
それまでの子供を遊んでくれて有難う!という周囲の目が、「何をしたんだ!」という厳しい目に・・・
慌てて病院などに電話しましたが専門医の当直ではなく困っていると、「整骨院は?」という意見があり、近くの整骨院で診てもらえるということで急行しました。
整骨院の先生は少し腕の様子を見てから、「抜けてるね(え、どういうこと?)。はめるからね」と言われ施術、すぐに良くなりました(すごい~感動!)。
「腕が抜けただけですね」との事でしたが、私は後遺症は残らないか超心配でしたが、全く問題ありませんでした。
後になって知りましたが、この症状は「輪状靭帯脱臼」という病名。「肘内障(ちゅうないしょう)」とも呼ばれ、1~6歳くらいまでの幼児によく起きるそうです。
症状は、
- 痛がって腕を動かせない
- だらんと下がった腕を、反対の手で支える
この状態をもう少し詳しく申しますと、「肘の関節にある輪状靭帯が橈骨から外れて骨の間に挟まった状態」です。
幼児は骨も靭帯も未発達なので、外れやすいそうです。
前述のような行為によって起こったり、転んだ時、親が手を引っ張った時、朝起き上がる時などでも起きます。
こういう時は対処法と診断について
整形外科を受診すると、医師が手で肘を動かして靭帯を骨にはめてくれます。これを徒手整復と言います。
はまってしまえばケロリとして手を動かせるようになりますし。後遺症の心配もありません。
ただ骨折の場合もありますので、きちんとした診断は必須ですね。
大人であれば詳しく説明できますが、幼児ですので上手く説明できない。痛いところを聞くと、手首を指す子供も多いそうです。
今まではレントゲン撮影をしていましたが、ご存じのようにレントゲンでは骨の以上はわかっても靭帯は写りません。
そういう事情も踏まえて、最近は超音波画像が脚光を浴びているそうです。上腕骨と橈骨の間にはさまった時の画像の特徴が明らかになり、的確な診断が出来るようになりました。
徒手整復の際も、靭帯が元の位置に戻ったかどうかが超音波なら確認できます。
怖くて手も持てない~と心配される親御さんもいらっしゃるかも知れませんが、成長とともに関節などがしっかりしてきますので、安心して下さい。
小さなお子様と手をつなぐときの注意点
- 手をつなぐ時は子供にもしっかり手を握らせること。
- 引っ張る時は手でなく、前腕を持つようにすると良いそうです。
こういう記事を見るとすぐに”危ない”気持ちモードになり、あれもこれも危ないから、危ないからと何もさせなくなる場合があります。
確かに大事なお子さんに怪我をさせるつもりは毛頭ありませんが、自分で多少危ないことをして、痛みを覚えることも大変重要な子育てだと思います。
危ない事とそうでない事の境界線を自分で覚えること、これが将来自分の身を守り、他人の身も案じることが出来る人間になる必須のプロセスです。
公園で子供を遊ばせている親御さんを拝見していると、かなりの確率で”危ない”という言葉を使っていますね。
気持ちは本当にわかりますが、危険でない範囲で危ないこともさせてあげて下さい。
また手をつなぐという行為は、親子のスキンシップ上本当に大切です。お母さん、お父さんと手をつないで散歩とか買い物に行った記憶が大人になっても残ります。
肘が抜けない、適切な持ち方で親子の思い出を作りましょう。
それでは、また来週!
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◇ 編集後記
甥っ子の小さい時を思い出しました。
それがもう30過ぎかあ・・・。時が経つのは、本当に早くて驚きますね。
小さい時の親御さん、周囲の人との接し方は、その後の人生に大きな影響を与えます。
良い人生になることを、お祈り申し上げます。
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