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上咽頭擦過療法(EAT)について説明します!

治療の仕方、効果、痛みなどについて

 

別のページで「新型コロナ後遺症の症状」についてと、その治療に効果のある「上咽頭擦過療法(じょういんとうさっかりょうほう)」(以下、EAT~イートと読みます)、あるいはBスポット療法とも呼ばれています。概略をお話致しました。当ページでは「EAT」の実際の治療の仕方や、その際の痛み、注意事項などについて詳しく説明致します。

EATとは?

復習になりますが、上の図でもおわかりのように「Bスポット」とは鼻の奥の部分で「鼻咽腔(びいんくう)」という場所です。喉や鼻は呼吸によって、絶え間なく空気中のホコリやウィルスなどにさらされています。感染において、最初の場所であり、防御ゾーンとも言えます。

「EAT」とは、この鼻咽腔を殺菌剤(塩化亜鉛)で擦過(さっか)=こする治療法のことです。非常にシンプルな治療法でわかりやすいと思います。

Bスポット療法

EATのエビデンス

Evidence Based Medicine(エビデンス・ベースド・メディスン、略してEBM)という言葉がありますが、根拠のあるデータに基づいた治療という意味です。医療においては大事にされている考え方ですが、そういう意味ではEATにはエビデンスがありません。効果がないからというよりは、効果を実証するような大規模な試験が行われなかったからだと思います。

海外はもちろん、日本でも行っている医療機関は非常に少ないのが現状です。そんなマイナーな治療法がなぜ細々ながら受け継がれてきたか?それは他にこれといった治療法がない場合に、効果がある場合があるからなんです。

EATの効果

感染の始まる部位を直接消毒するイメージになりますので、引き始めの風邪なども意外と早く治ることもあります。

また上咽頭の炎症が頭痛や肩こりの起こる原因の一つとも言われていますので、効果がある場合もございます。またこの部位で長期間続く炎症がある場合、体調が優れず精神的も落ち込んでくることもありますので、そのような症状も改善の可能性があると思われます。

炎症を鎮める以外にも様々な効果がある治療法ですが、確実に効くという事は言えませんのでご理解下さい。

EATを体験した人の声はこちらの動画からご覧ください

EATの注意点

  • 炎症の度合いによって差はありますが、一番知って頂きたい事は、 ”かなり痛い!” 治療になるという事です。いわゆる”沁みて痛い!”イメージです。炎症している部位に薬品を塗りますのでやむ得ない気もしますが、炎症の強い方ほどかなり痛いそうです。しかもその場だけではなく、長いと1日以上痛みが残る場合もありますので、それでも良ければという治療法です。
  • 治療後、鼻や口から出血(量は多くないです)する場合もあります。出血は心配する必要はありません。また鼻水や痰がしばらく出ることがあります。
  • 心配はいりませんが、治療後、鼻の奥の違和感や頭が重く感じたりすることもあります。
  • またBスポット療法は1回で終わる治療法ではなく、状態に合わせて何回か通院が必要になります。

EATが脚光を浴びている理由

このように賛否両論があるマイナーな治療法ですが、なぜ今注目されているのでしょうか? それは「新型コロナ後遺症」に効果があるかも、と言われているからなのです。

現在の新型コロナ後遺症の治療法は解熱鎮痛剤を服薬したり、漢方薬を試してみる、サプリを飲むなどの治療が一般的です。中にはリウマチの治療薬であるコルヒチンを使ったり、コレストロールをコントロールするスタチンを投薬するという治療方法もあるようですが、症状をとりあえず抑えて、時を待つしかない状態と言えます。

しかしその間は、患者さんは後遺症の辛い症状を耐えるしかない。症状がかなり辛いだけに、まさにわらをもつかむ心境になるのもよくわかりますね・・・。

そんな状況の中で「EAT」を試してみたいと、当院に来院される患者さんもおられます。中には近隣に実施している医療機関がない為、遠方からお越し頂く患者さんもみえます。そのようなお悩みの助けになることが出来るなら、非常に嬉しいことだと考えます。

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