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レーザーを使った中耳炎治療

お子さんの治りにくい中耳炎にレーザー鼓膜開窓装置オトラム

使用する病気

  1. 滲出性の中耳炎
  2. 花粉症のレーザー治療

この2つの病気に主に用います。

どんな機械ですか?

ルミナス社が開発した、最先端のレーザー医療機器です。
重症度の高い中耳炎の患者さんに対して、鼓膜の奥に溜まった膿(うみ)や浸出液(しんしゅつえき)を出すために、オトラムで鼓膜に穴をあけます。非常に細いレーザービームをコンピューター制御でらせん状に照射し、鼓膜に正確に円形の穴を開けます。

なぜオトラムが良いのか、次の項でもう少し詳しくご説明致します。

どんな時に使うの? どういうメリットがあるの?

滲出性中耳炎

まず滲出性(しんしゅつせい)中耳炎の治療に使用します。
例を挙げますと、重症な中耳炎の患者さんの耳の中は膿(うみ)が奥の方に溜まり、パンパンになっている状態です。

通常はメスで鼓膜を切開して膿を出しますが、メスでの切開にはデメリットが多いのです。

  • メスを使う場合、どうしても病変部位以外の粘膜などを傷つけてしまうことが多く、痛みを伴う出血が数日続くことがあります。
  • メスでの切開は術創が線状になり、数日でふさがってしまう。中耳炎の治療が充分出来ないうちに、穴がふさがり再び膿が溜まってしまうのです。

オトラムを使用すると円状に穴が開き、個人差はあるものの1週間前後はふさがりません。この間に溜まった膿を出し切り、中耳炎の治療が期待できるメリットがあります。

お子様の耳と一緒にレーザーの光源が動き、”狙ったところにしかレーザーがあたりません”ので安全なのです。

またレーザーは水分に吸収されるので、鼓膜の向こうの大切な耳の神経を傷つけることもありません。

オトラムを選ぶ理由は他にもあります。

痛みが少ない!

オトラムはメスに比べて、大幅に痛みが少ないです。(それに加えて、施術するにあたり麻酔をいたします)

出血がほとんどない!

オトラムはレーザーで蒸散して穴を開けますので、出血を非常に少なくすることが可能です。出血が少ないと開口部から奥の状態が認識しやすくなり、治療には大変有効になります。

鼓膜へのダメージが少なく済む!

メスの場合、しっかりした開口部を開けるためには大きく切ることになり、鼓膜の血管などをたくさん切ってしまうことになります。これにより鼓膜にダメージを与えることにつながりますが、オトラムは正確かつ効率良く穴をあけることが出来るのです。

小さなお子さんでも手術がしやすい!

医師が鼓膜切開をしたい症例は、子供さんの場合が多いです。でもお子さんの小さな耳の中でメスを使わねばならず、じっとしていない小さなお子さんは非常に危険でした。しかしオトラムではレーザーで穴を開けますし、一瞬(わずか0.2秒!)で終わりますので安心安全に手術が出来るのです。

まとめ

今回はレーザーを用いた中耳炎治療について、簡単にお話しました。

レーザーは耳鼻咽喉科のみならず、歯科などでも私たちに身近になってきました。今後もより一層診療に貢献してくれるでしょう。別のページで、花粉症のレーザー治療の話をまとめていますので、ご参考にして下さい。

 

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