睡眠時無呼吸症候群の検査について
睡眠時無呼吸症候群を調べる検査について
SAS総合ページでも申し上げているように、普通の病気は健康診断によって発見されたり、血液検査でわかることが多いのですが、SASは専門の施設での検査が必要となります。この点をご理解頂いておかないと、見逃がしてしまいますのでご注意下さい。SASの検査は痛みもありませんので、ご安心下さい。
1.問診・スクリーニング
セルフチェックリストやESS(Epworthの眠気テスト)を参考に、医師が診察の中で詳細な問診を行います。いびきや息が止まっている等のご家族の声、ご自身の熟睡感の有無や日中の眠気等をお話ください。喉や鼻の診察を行い、形態的な異常の有無を診察する場合もあります。
2.パルスオキシメーター検査
コロナ禍で一般の方にも知名度が上がり、一時期日本製品が品切れになったことがありましたので聞き覚えはあるかも知れません。パルスオキシメーターという機器を一晩装着してODI(酸素低下指数)を測定し、肺にある酸素を血液中にどれくらい取り込んでいるかを確認します。最も簡単な方法ですが、SASを正確に判断することは出来ません。
3.携帯型睡眠検査
医療保険適応の検査で、血中酸素の他に鼻口の気流(息)やいびきを計測します。機器によっては体位や胸・腹の動きを測ることが出来ます。自宅で検査機器を装着して一晩眠って頂き、呼吸状態(鼻呼吸が出来ているか等)、血液中の酸素飽和f度、脈拍、体位などを測定します(腕に装着するタイプですと、外観は上記の写真と似ています)。内臓のコンピューターに記録された検査結果を翌日回収し解析し、次回診察時に検査結果を踏まえて今後の治療方針を相談し決定します。
重症度により場合によってはさらに詳しい検査(PSG)が必要となるケースもございます。
4.睡眠ポリグラフ検査(PSG)
さらに詳しい検査が必要と判断された場合、PSG(睡眠ポリグラフ検査)を実施します。専用の機器を体に装着して眠って頂くと、睡眠中の脳波、心臓、筋肉や目の動き、呼吸の状態等あらゆる睡眠障害を診断できます。残念ながらこの検査は当クリニックでは実施出来ませんので、近隣の病院に依頼することになります。短期ですが(1泊~2泊)入院が必要になりますので、お仕事などのスケジュール調整をして頂く必要がございます。
2泊の入院の場合、2泊目は「CPAP(シーパップ)タイトレーション検査」の場合が多いと思われます。CPAPタイトレーションとは、治療機器であるCPAP装置を装着して睡眠の状態を確認する検査方法です。AHIが20以上40未満の方は、この検査でCPAPを使って睡眠の質が改善されたかを判定します。