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『 健康ブログ~花粉症が重症で、すごく悩んでみえる方に!』

[2022.02.07]

三重県四日市市の足立耳鼻咽喉科がお届けする健康ブログです。本職は耳鼻咽喉科領域の治療を専門としていますが、当ブログではもう少し広い視野で、より快適に生活できる情報を発信します。流行りの健康情報ではなく、基本に忠実な情報を書きたいと思っています。宜しくお願い致します。

こんにちは、健康ブログ編集長です。2月になり、花粉症の方は非常に心配で憂鬱な季節です。花粉症対策として初期療法をお勧めしていますが、それでも症状がキツいと仰る方に再度ご案内致します。まさに花粉症の切り札的な薬剤です。

本日のテーマは、

「 重症スギ花粉症の方、切り札”ゾレア”をご存知でしょうか?」

スギ花粉症の方には何度も何度も申し上げて大変恐縮ですが、スギ花粉の本格飛散まであとわずか!(ダメ押し!?)
花粉症の方はこう聞いただけで憂鬱になりますね。すでに初期療法(スギ花粉飛散前の1月下旬頃から薬を飲み始める治療法)を開始した方もたくさんいらっしゃいます。後はなるべく花粉に暴露される機会を減らすくらいしか出来ないと思います。

特に重症以上の方は、例え万全の備えをしたとしてもかなり辛い数か月になるでしょう。そういう方に条件付きではありますが、ゾレア皮下注という切り札的選択肢をお知らせしたいと思います。

ゾレアの特徴

ホームページにも掲載しておりますが、あまり馴染みのない薬剤ではないかと思いますので改めてお簡単にご紹介致します。(詳細は当クリニックのホームページをご参照下さい)

「抗IgE抗体製剤 ゾレア」は従来の化学合成された医薬品とは違い、生物から産生されるタンパク質などの物質を応用して作られた医薬品です。

ゾレアの作用は、花粉の侵入によって産生されたIgEという物質と結合し、アレルギーを起こす前段階でブロックすることです(詳しくお知りになりたい方は、コチラから)。アレルギー反応の元となる段階でブロックしますので、従来の薬と比べて強い効果が期待出来ます。適応症が「重症、最重症」となったことからも、わかる気がします。

対象となる患者さん

非常に効果のある薬剤ですし高薬価ですので、乱用されないように使用基準が明確に決められています。

  1. 成人及び、12歳以上の小児であること。
  2. 重症または最重症の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症です)で、前スギ花粉シーズンも重症な症状があったこと。
  3. スギ花粉のアレルギー検査(血液検査)が陽性であること。
  4. 従来の花粉症治療を1週間以上行い、効果が不充分であること。
  5. 血清総IgE濃度が30~1500IU/mlであること。
  6. 体重が20kg~150kgの範囲内であること。

いかがでしょうか? 何やらかなりややこしそうですが、花粉症で苦しんでいる方は結構該当すると思いますので一度ご相談下さい。

メリット

ゾレアの最大のメリットは、効果です!あまり薬の効果などを申し上げることは出来ませんが、確実な効果を速効性を感じています。当クリニックは昨シーズンから治療開始し、多くの方に使用致しましたので、詳細は「患者さんの声」をご覧頂きたいと思います(伏見クリニックのホームページから)。

また内服の抗アレルギー剤のような眠気の副作用もないようですので、仕事や運転なども安心です。

デメリット

毎シーズン治療しても全くダメ、年齢や体重、他の基準も適合しているし、早速始めたい!こう思うもの無理はありませんが、ちょっとお待ちください。ゾレアは誰でも使えるわけではなく、使用対象が明確に決められていましたね。前項を改めて確認お願いします。

さらに一番現実的な部分なのですが、ゾレア最大のネックは・・・・価格が高い!正確に申し上げると、薬価が非常に高い薬剤ということです。

ゾレアの薬価は75mgシリンジ製剤1本で14.812円、150mgシリンジ製剤1本で29,147円(2022年2月時点)。

「エエ~、そんなに高いの? でも3割負担だし何とかなるかなあ・・・」

いえいえ、まだお話の途中です。体重や検査値で用量が違いますので、一般的には1カ月5千円~6万円くらいになります。2月~4月初旬頃が花粉飛散時期と考えれば、この3回分が必要になります。またこの金額は薬剤費だけですのでこれに加えて診察代がかかりますし、内服も必要であればさらにプラスになります。効果はお勧め出来ますが、よくご検討の上で決めて下さい。

救済制度

まずは「高額療養費」という制度を検討頂くのは如何でしょうか?

高額療養費とは、1ヶ月内にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合に自己負担限度額を超えた分が後で払い戻される制度です。つまり一定金額までは今まで通りの自己負担、一定金額を超えた分は戻ってくるという有難い制度なんです(年齢や収入で限度額は変わってきます)。

この制度をブログで説明するには少々紙面が足りませんので、今日は1例だけ紹介させて頂きます。健康保険加入者で70歳未満の方、例えば標準報酬月額28万~50万円の方の場合ですと80,100円+(総医療費-267,000円)x1% という計算式で限度額がわかります。例えば医療費が30万円かかったら、8万ちょっととなります。また報酬月額が26万円以下の方は金額固定で、57,600円と決まっています。

ですので、例えばゾレアを接種して総医療費が7万円かかったとしたら、70000円-57600円=12400円戻ってくる計算です。これでも充分高いと思いますし、該当しないケースもありますが、少しは負担も減るのではないしょうか?(高額療養費制度を検討される場合は、ご自身で必ずご確認下さい)

厚生労働省ホームページ「高額療養費」

また「確定申告」でも還付される可能性がありますので、ご自身で調べて頂きたいと思います。

このように、重症・最重症レベルの花粉症に効果が期待されるゾレアには高いハードルがございます。特に費用面で諦めざる得ない場合が多いのですが、重症でかなり悩まれている方もみえますので、一度検討して頂く価値はあると思います。

また今の時期は花粉飛散時期で実施出来ませんが、「レーザー治療」「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」という選択肢もございます。このシーズンを乗り切って、来シーズン対策を是非ご検討下さい。様々な選択肢があることを知っておくことも大切ですね。

それでは、また来週!

 

 


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◇ 編集後記

今年の全国の花粉飛散予測は、例年並みの開始で量はやや多そうということです。私も花粉症と長年付き合っていますが、2週間ほど前から、寝る前と起床時に怪しげな症状が出始めています。
すっかり慣れっこにはなりましたが、重症の方はこんな程度ではないと思いますのでご検討下さい。

花粉症の季節が終われば、待望の春到来です!今年の冬は寒さが身に沁みますので、早く暖かくなって欲しいですね~。

 

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コロナ感染が拡大中です!マスク・手洗い・アルコール消毒・3密対策は忘れずにお願いします。


☆ 花粉症の方!つらいアレルギー性鼻炎の対策を打っておきましょう。


 ・ 初期療法!転ばぬ先の杖です。1月下旬頃から花粉症の薬を飲み始める治療法で、シンプルですが効き目大! 

 ・【来シーズンに備えませんか?】根本的に治る可能性大! 舌下免疫療法を始めてみませんか? 

 ・【来シーズンへの備え】即効性なら、レーザー治療です!  

 ・通院が難しい方、コロナ感染が心配な方、オンライン診療を考えてみませんか? 


「舌下免疫療法」は11月末で今シーズンは終了です。詳しくはスタッフにお問合せ下さい。


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「 安心・安全で人に優しいクリニックをつくり、地域社会に幸せの循環を創る 」

1、足立耳鼻咽喉科 四日市本院:三重県四日市市羽津山7-8

2.足立耳鼻咽喉科 伏見クリニック:愛知県名古屋市中区栄1丁目2-3 プラウドタワー名古屋栄2F

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